小説執筆をメインに利用しているユーザーの方は、既存のドキュメントをそのまま「すぴこさま」で続けて執筆することもできます。何も指示せず、そのまま続きを書かせたい時は、送信欄に何も入力せず「送信」を押します。
既に「すぴこさま」を利用して出力したユーザー/アシスタントのブロックが存在しているドキュメントをスーパーとりんさま、やみおとめ+ちりぬなどの従来のモデルに読ませた場合、AIが指示構文に引っ張られて長い文章を書かなくなったり、挙動が変化したりする可能性があります。
「すぴこさま」はチャットボットAIと、のべりすとスタイルのAIからなる
2つの人格を混合したモデルです。
ユーザーの好みや状況に合わせて、それぞれ指示チューニングの度合いが異なる3種類のモードを選択することができます。ここではデフォルト以外のモードについて解説します。
☆ ソリッド
デフォルトよりも一般的なチャットボットに近いチューニングになっており、より論理的な文章が書けます。ただし、その性質上、妙に理屈っぽくなったり、構文が単調になってしまうことがあります。
何がなんでも指示に従って欲しい時や、次の展開をプランニングさせたり、複雑なシーンを描写させる、擬似的なゲームを遊びたいというような、高度な理解力が求められるプロンプトで有効です。
♫ カラフル
このモードを選択した場合、プラチナ会員の場合は
やみおとめ+ちりぬ、それ以外の場合は
スーパーとりんさまで出力が行われます。
この2つのモデルは自然な小説の続きを生成することに特化しており、あまり積極的に指示に従うようにはなっていませんが、自然な会話や地の文を書いたり、次々にシーンを進めていくことに関してはデフォルトのモードよりも優れています。
まずデフォルトかソリッドで各ブロックの冒頭部分を書かせて、カラフルで続きを書かせるといった使い方が有効です。
どこでも編集可能
「すぴこさま」は、ユーザーの書いた入力文とAIの出力文が明確に区別されている一般的なチャットボットと異なり、AIの出力した文章もあとから編集可能です。また、返答を1つのブロックとして一気に出力するのではなく、AIのべりすとの他のモデルのように少しづつ出力していくようになっています。
出力された文章が途中で終わっていたり、続きをより長く書かせたい場合、
入力欄に何も入力せず「送信」ボタンを押します。
添削してあげよう
文体が固定されている他のチャットボットタイプのAIと異なり、「すぴこさま」はAIのべりすとの従来モデル同様、そこまでに書かれているテキストの形式や文体をある程度踏まえて書くようにチューニングされています(特に
デフォルトモードはそこまでの出力に強く影響を受け、
ソリッドモードはある程度文体を正則化するようになっています)。
AIの出力で気に入らない、「こうではない」と思う部分はそのままにせず、直接書き換えたり、部分的に消すことで思ったような文章が生成されやすくなっていきます。
割り込んで指示する
AIが出力した文章の途中で、新しい指示構文を送信することも可能です。シーンの途中で強制的に場面や視点を転換したり、状況を分析させるといった使い方が有効です。
詳細オプションについて
詳細オプションの生成パラメータは、「すぴこさま」では下記の項目を除いて固定され、自動的に調整されます(下記を除く数値は「カラフル」モード以外では反映されません)。
・ ランダム度(0.95~1.30の範囲)
・ 繰り返しペナルティ
・ タイピカルP
・ 出力の長さ
・ AIが読み取るコンテキストの長さ
・ キャラクターブックの優先度
・ キャラクターブックをスキャンする文字数
・ フォーマッティング
脚注の扱い
本文中にユーザー/アシスタントのブロックが存在しているドキュメントにおいて、脚注は
本文中、一番下にある(一番最後の)ユーザー指示の行頭に挿入されます。
例:
あなたは夏目漱石の小説に出てくるネコのワガハイです。
ここに脚注が挿入される
ワガハイが書生について語るシーンを描写。
プロットから本文を生成する
「すぴこさま」は、汎用的なチャットボットAIとは異なり、箇条書きのプロットからの本文生成を強く意識してデータセットの制作とチューニングを行っています。この時、下記の2点に注意しましょう。
・
次の300~1000文字程度で描写したい要素を入力する
あまりにも多くの要素を盛り込んだプロンプトを一度に送信すると、うまく反映されなかったり、冗長になってしまう可能性があります。
・
起承転結を一度に送らない一度に全てのプロットを流し込むと、詳細に描写して欲しいシーンもすぐに終わってしまいます。次に起きる出来事を1つ、最大でも2つ程度書いて送るのがお薦めです。
次の指示を埋めさせる
本文がユーザーアイコン、もしくは
[#ユーザー]で終わっている状態で何も書かずに送信ボタンを押すと、ユーザーの代わりに指示プロンプトの続きを埋めさせることができます。
例:
↓ 送信ボタンを押す
繰り返しペナルティの挙動
指示チューニングモデルの「すぴこさま」においては、繰り返しペナルティの実際の挙動に従来モデルとは顕著な違いがあります。ここに簡単な例をまとめました。
↙ 繰り返しペナルティが低い (~1.05)場合
◆ デフォルト:
・指示通りの本文◯
・自発的な新展開△
・構文や書式を保持・やや単調な文章
☆ ソリッド:
・指示通りの本文◎
・自発的な新展開××
・構文や書式を保持・単調な文章
♫ カラフル:
・指示はあまり考慮しない
・自発的な新展開△
・構文や書式を保持
↗ 繰り返しペナルティが高い (1.20~)場合
◆ デフォルト:
・指示通りの本文△
・自発的な新展開◯
・構文や書式を崩そうとする
☆ ソリッド:
・指示通りの本文◯
・自発的な新展開△
・バラエティに富んだ構文
♫ カラフル:
・指示はあまり考慮しない
・自発的な新展開◎
・構文や書式を崩そうとする
繰り返しペナルティが高いと、そこまでのテキストで続いている構文を崩して新しいことをしようとする力が働きます。例えばRPGにおける戦闘のシミュレーションなど、特定の書式が存在する時は本文に特定の形式が存在する場合、繰り返しペナルティを低めに設定することをお薦めします。
日本語ベンチマークスコア
モデル名 |
JSQuAD 0-shot |
JCommonsenseQA 0-shot |
MMLU-JA-JP (OpenAI) |
Spiko-Solid 202501 |
0.84 |
0.91 |
0.75 |
Damsel+RAY (dev) |
0.78 |
0.93 |
- |
SuperTrin α2 |
0.71 |
0.70 |
- |
**Command R+ |
- |
- |
0.67 |
*gpt-4o-2024-08-06 |
- |
- |
0.82 |
*gpt-4o-mini-2024-07-18 |
- |
- |
0.72 |
**Llama3.1 70B |
- |
- |
0.72 |
**Llama3.1 405B |
- |
- |
0.80 |
**mistral-large-2407 |
- |
- |
0.78 |
* Reported by OpenAI
** Reported by Mistral AI